概要・機能

高度の入っていない飛行ルートのKMLを読み込み、地形の起伏に合わせた高度を自動で入れるツールです。 起伏のある現場でも一定の対地高度(AGL)を保てるので、写真の重複率や地上画素寸法(GSD)を均一にできます。

KMLを読み込んで対地高度を入れ、「飛行経路を生成」を押すだけで使えます。 DEM・ジオイド・高度モードはすべて初期値のままで問題ありません。

地理院DEMタイル(DEM1A/DEM5A/DEM10B)の自動取得 + GeoTIFF対応
ジオイド補正で楕円体高に変換(ジオイド2024 / ジオイド2011)
初期設定では地形侵入をゼロにする安全優先の経路生成
対地高度を保ったままノード数を最小化
絶対高度・相対高度・地形固定の3モード + KML/CSV出力
KML高度設定ツールの画面。メッシュ状の測量コースに地形追従高度を設定した状態

※ 画面例は「高度の許容幅 上5m / 下5m」「崖などの安全距離を確保 ON(10m)」で生成したものです(初期値は下0m・安全距離OFF)。下を5mにしているため、結果の「対地高度(経路上)」が設定値60mを下回って55.1mまで下がっています。

使い方(4ステップ)

KMLを読み込む

左パネルの「飛行ルート (KML/KMZ)」から選択するか、画面のどこにでもドラッグ&ドロップします。読み込むと元の経路が地図に表示されます。

地形データは地理院タイル(DEM5A)が自動で使われるので、DEMファイルを用意する必要はありません。

対地高度を入力する

地表から何メートル上を飛ぶかを入力します(初期値60m)。ここだけ決まっていれば生成できます。

崖や急斜面のそばを飛ぶ場合は「崖などの安全距離を確保」もONにしておくと安心です。その他の項目は設定項目の意味を参照してください。

「飛行経路を生成」を押す

生成された経路が地図に赤線で表示され、右側の結果パネルに次の内容が出ます。

  • 総飛行距離最高高度 / 最低高度(出力される高度の値)
  • 対地高度(経路上): ノード間の直線も含めて実際に何mの高さを飛ぶか。設定値どおりに収まっているかの確認用
  • ポイント数ノード内訳(元 → 補間 → 最終): どの段階で点が増減したか
  • DEMやジオイドを取得できなかった点があれば黄色の警告

やり直すときは「リセット」でKMLと結果だけがクリアされます(設定値は残ります)。

KML / CSV で保存する

  • KML保存: 詳細設定の「高度モード」で出力。フライトプランナーやGoogle Earthで使えます
  • CSV保存: No・経度・緯度・飛行高度・地形標高・ジオイド高(複数ラインならLineIndex / LineName列も付きます)
注意: DEMは地面の標高で、樹木・電線・建物は含まれていません。実飛行前に現地の障害物を必ず目視確認してください。

設定項目の意味

すべて初期値のままで安全に動作します。調整したいときだけ読んでください。

高度の許容幅(上 5m / 下 0m)

ノードを減らすための設定です。ノードを間引いた結果、対地高度が設定値から上へずれてよい量が「上」、下へずれてよい量が「下」です。

崖などの安全距離を確保(初期OFF / 半径20m)

機体の真下だけでなく、指定した半径内の最高標高を基準に高度を決めます。崖・鉄塔・急斜面の際を飛ぶときの保険です。半径を大きくすると処理時間が増えます。

詳細設定

迷ったら: 対地高度だけ入れて生成 → ノードが多すぎるなら「高度の許容幅(上)」を10〜20mに上げる → それでも減らないなら詳細設定の「元のKMLノードも削減する」をONにする、の順で調整してください。

よくある質問

対地高度・標高・楕円体高の違いは?
対地高度(AGL)= 地表からの高さ。あなたが設定する値。
標高(MSL)= 平均海面からの高さ。地理院DEMが返す値。
楕円体高= GPSが使う基準からの高さ。標高 + ジオイド高
多くのドローン自動航行ソフトは楕円体高を期待するため、初期設定(高度モード=絶対高度、ジオイド高加算=ON)のままで楕円体高のKMLが出力されます。
DEM1A・DEM5A・DEM10B はどれを選ぶ?
迷ったら初期値の DEM5A(5mメッシュ) で問題ありません。 選んだDEMで標高が取れない点は、まず同じDEM内の周囲の値で内挿し、それでも取れない範囲(未整備エリアや広い水部)だけ DEM1A → DEM5A → DEM10B の順に粗いDEMで補完します。つまり選択肢は「どこまで細かいDEMを優先するか」の指定です。
DEM1A(1mメッシュ・整備範囲は限定的)は崖や構造物際の精密な計画向けですが、微地形を拾うぶんノード数と処理時間が増えます。全国を粗く一様に評価したいときは DEM10B(10m・全国カバー) を選びます。
結果の「対地高度(経路上)」が設定値とずれるのはなぜ?
ノードの上では設定どおりですが、ノードとノードの間は直線なので、その間で地形との距離が変動します。この値は間引かれた点も含めて実際の直線経路を評価した結果です。
上限(例: 60〜65m)は「高度の許容幅(上)」、下限は「(下)」の設定に対応します。下を0にしていれば下限は設定値を下回りません
複数のラインや、ポイント形式のKMLは使える?
LineString のみ対応します。1ファイル内に複数のLineStringがあれば一括処理されます(メッシュ状の測量コースなど)。Point や Polygon だけのKMLは「LineStringが見つかりません」となります。
オフラインでも使える?
ページ本体とジオイドデータは一度オンラインで開けば端末に保存され、オフラインでも動きます。ただし地理院DEMタイルの取得にはインターネット接続が必要です。現場でオフライン利用したい場合は、事前にGeoTIFFのDEMを用意して「詳細設定 → 地形データ → GeoTIFFファイル」で読み込んでください。

トラブルシューティング

ノード数が減らない・パラメータを変えても変わらない
解決策: 元のKMLのノードは初期設定では削除されないため、元のノード数が下限になります(生成済みの経路を読み込み直したときによく起こります)。結果パネルにその旨のメッセージが出ていたら、詳細設定の「元のKMLノードも削減する」をONにしてください。
「ノード追加間隔」が0だと補間点そのものが無く、間引く対象がないため変化しません。10m程度に設定してください。
「ジオイドデータを読み込めませんでした」と出て生成できない
解決策: ジオイドデータがまだ端末に保存されていない状態でオフラインになっています。ジオイド高0のまま生成すると約36〜40m低い経路が出てしまうため、あえて処理を中止しています。一度オンライン環境で開き直せば以降はオフラインでも使えます。ジオイド補正が不要な場合のみ「ジオイド高を標高に加算する」のチェックを外してください。
最高高度と最低高度が同じ値になる
解決策: 標高がすべて0として処理されている可能性があります。結果パネル上部の黄色い警告(タイル取得失敗 / GeoTIFF範囲外)を確認してください。範囲が日本国外なら、GeoTIFFのDEMを直接読み込む必要があります。
ドローンソフトで読み込んだら高度がおかしい
解決策: 多くのドローンソフトは絶対高度(楕円体高)を期待します。詳細設定が初期値(高度モード=絶対高度、ジオイド高加算=ON)になっているか確認してください。約36〜40mずれている場合はジオイド補正の有無が原因です。出力後にGoogle Earthで開いて標高プロファイルを見ると確実に確認できます。
「数m〜十数mの段差が出ることがあります」と警告が出た
解決策: 選んだDEMが未整備の範囲があり、粗いDEMで補完した箇所があるという意味です。DEM間の測定差で段差が生じることがあるので、その付近では対地高度に余裕を持たせるか、DEM10Bを選んで全区間を同じDEMで統一してください。