概要・機能

KML ARビューアは、KML・GeoJSONファイルに含まれるラインやポイントを、 スマートフォンのカメラ映像上にAR(拡張現実)でリアルタイム表示するツールです。 現場で計画路線や測量点の位置を直感的に確認できます。

KML / GeoJSON のライン・ポイント・ポリゴンをAR表示
標高・楕円体高に対応した高度表示(ジオイド高自動計算)
レイヤごとの色分け・表示/非表示切替
複数ファイルの同時読み込み・個別削除
現在地の標高を地理院APIまたはGPS高度から取得
表示距離のフィルタリング(50m〜2000m)
デバイスコンパスによる自動方位補正(GPS歩行補正対応)
写真撮影(GPS・方位・日時のEXIF情報付き)
動画録画(端末の向きに応じた回転対応)
GPSカルマンフィルタによる位置精度の向上
活用シーン: ドローン飛行経路の現場確認、計画路線の位置把握、 測量点の場所特定、地下埋設物の位置確認など、現場でGISデータを直感的に確認したい場面に最適です。

動作要件

本ツールはスマートフォン専用です。以下の機能が必要です。

カメラ: ブラウザからのカメラアクセス許可が必要
GPS: 位置情報の取得許可が必要
コンパス: デバイスの方位センサーが必要
ブラウザ: Chrome(Android)/ Safari(iOS)推奨
通信: 初回は標高データ取得のためインターネット接続が必要
注意: PCブラウザではカメラ・コンパス・GPSの連携が制限されるため、 スマートフォンでの使用を推奨します。HTTPSでのアクセスが必要です。

使い方

ファイルを選択する

「ファイルを選択(複数可)」ボタンをタップして、KMLまたはGeoJSONファイルを選択します。

  • KML: Google Earth等で作成したライン・ポイントデータ
  • GeoJSON: GISソフトから出力したポイント・ライン・ポリゴンデータ
  • 複数ファイルを同時に選択できます
  • ファイルごとに自動で色分けされます
  • ファイルリストの「×」ボタンで個別に削除できます

高度の設定を確認する

読み込んだデータの高度の種類を選択します。

  • 標高: 地表面(ジオイド面)からの高さ。一般的なGISデータはこちら
  • 楕円体高 (WGS84): GPS生値やWGS84楕円体高のデータの場合に選択
  • 楕円体高を選択した場合、ジオイド高の入力欄が表示されます

AR表示を開始する

「AR表示を開始」ボタンをタップします。

  • カメラ・位置情報の許可を求められたら「許可」をタップ
  • GPSの測位が完了すると、データがAR空間上に表示されます
  • スマホを動かして周囲を見回すと、実際の位置にラインやポイントが表示されます

AR画面で操作する

AR表示中に以下の操作が可能です。

  • レイヤ切替: 画面下部のチェックボックスでレイヤごとに表示/非表示
  • ファイル追加: AR中にも追加ファイルを読み込み可能
  • 標高補正: チェックボックスで標高差表示のON/OFF
  • 名前表示: ラベルの表示/非表示を切替
  • 現在地: 標高ソースを地理院標高/GPS高度から選択
  • KML高度: データの高度種類(標高/楕円体高)を切替
  • 表示距離: スライダーで表示範囲を50m〜2000mに調整

写真撮影・動画録画

AR表示中に画面下部のボタンで撮影・録画ができます。

  • 撮影ボタン: AR合成画像をJPEGで保存します。GPS座標・方位・撮影日時がEXIF情報として埋め込まれます
  • RECボタン: AR合成動画の録画を開始します。もう一度タップで停止し、動画ファイル(MP4/WebM)がダウンロードされます
  • 録画中は経過時間が表示され、ボタンが赤く点滅します

設定項目

現在地の標高ソース

AR表示中の「現在地」セレクトボックスで、現在地の標高取得方法を切り替えられます。

  • 地理院標高: 国土地理院のDEMタイルから標高を取得(精度が高い)
  • GPS高度: スマートフォンのGPSから取得した高度を使用。Android端末ではGPS高度は楕円体高のため、自動的にジオイド高を減算して標高に変換します
KML高度の種類

読み込むKML/GeoJSONファイルの高度データの種類を指定します。

  • 標高: 一般的なGISデータ。平均海水面(ジオイド面)からの高さ
  • 楕円体高: WGS84楕円体からの高さ。ジオイド高はJPGEO2024モデル(COG GeoTIFF)から自動計算され、標高に変換して表示します。手動で値を変更することも可能です

高度情報がないデータの場合、地理院標高タイルから自動的に標高を取得します。

表示距離
スライダーで50m〜2000mの範囲で調整できます。 距離が大きいほど遠くのデータも表示されますが、データが多い場合は描画負荷が上がります。 現場の状況に合わせて適切な距離を設定してください。
標高補正
チェックをONにすると、データの高度情報を元に現在地との標高差を表現します。 OFFにするとすべてのデータが同じ高さ(カメラの高さ)に表示され、 平面的な位置関係の確認に便利です。
写真撮影

AR画面の「撮影」ボタンでカメラ映像とKMLデータを合成した写真をJPEGで保存します。

  • GPS座標(緯度・経度・高度)、撮影方位、撮影日時がEXIF情報として埋め込まれます
  • ファイル名は「kml-ar-日時.jpg」の形式で自動生成されます
動画録画

AR画面の「REC」ボタンで録画を開始・停止します。

  • 対応形式: MP4(Safari/iOS優先)またはWebM(Chrome/Android)
  • 録画開始時の端末の向きに合わせて、縦向き/横向きの解像度で出力されます
  • 録画中は経過時間が表示され、ボタンが赤く点滅します
  • 停止すると動画ファイルが自動でダウンロードされます

よくある質問

対応しているファイル形式は?
KML形式とGeoJSON形式に対応しています。KMLファイルではライン(LineString)とポイント(Point)、 GeoJSONファイルではPoint、MultiPoint、LineString、MultiLineString、Polygon、MultiPolygonを読み込めます。 KMZ(ZIP圧縮されたKML)には対応していません。
PCで使えますか?
本ツールはスマートフォン専用です。PCブラウザではカメラの向きやGPSの精度が スマートフォンと異なるため、正しくAR表示されません。 Android(Chrome)またはiOS(Safari)でのご利用を推奨します。
複数ファイルを同時に表示できますか?
はい。初期画面で複数ファイルを選択できるほか、AR表示中にも「ファイル追加」ボタンから 追加のファイルを読み込むことができます。ファイルごとに自動で色分けされ、 レイヤごとに表示/非表示を切り替えられます。
データの精度はどのくらいですか?
表示精度はスマートフォンのGPSとコンパスの精度に依存します。 一般的なスマートフォンのGPS精度は3〜15m程度です。 開けた場所では精度が高くなり、ビルの谷間や林の中では精度が低下します。 画面上部に現在のGPS精度が表示されます。 GPSカルマンフィルタにより位置の平滑化を行い、精度の悪い測位(50m超)は自動的に棄却されます。
データはサーバーに送信されますか?
いいえ。読み込んだファイルはすべてブラウザ内で処理されます。 サーバーに送信されるのは、現在地の標高を取得するための座標情報のみ (国土地理院の標高タイルAPI)です。
AndroidでGeoJSONファイルが選択できません
Androidのファイルピッカーで「.geojson」ファイルが表示されない場合は、 ファイルマネージャーからファイルを「共有」してブラウザに送るか、 拡張子を「.json」に変更してお試しください。
撮影した写真にGPS情報は含まれますか?
はい。撮影した写真にはEXIF情報として、GPS座標(緯度・経度・高度)、 撮影方位(コンパスヘディング)、撮影日時が自動的に埋め込まれます。 Google フォトや地図アプリで撮影位置を確認できます。

トラブルシューティング

カメラが起動しない
解決策: ブラウザのカメラアクセス許可を確認してください。 設定 > プライバシー > カメラ でブラウザにカメラ使用を許可してください。 また、HTTPSでアクセスしているか確認してください(HTTPではカメラが使用できません)。
データが表示されない
解決策:
  • GPSの測位が完了するまでお待ちください(画面上部のGPS座標が表示されるまで)
  • 表示距離の設定を確認してください。データが遠い場合は距離を大きくしてください
  • レイヤの表示チェックがONになっているか確認してください
  • KML/GeoJSONファイルにライン・ポイントデータが含まれているか確認してください
データの位置がずれている
解決策:
  • GPSの精度を確認してください。精度が20m以上の場合は測位が不安定です
  • 開けた場所に移動してGPS精度を改善してください
  • コンパスのキャリブレーションを行ってください(スマホを8の字に動かす)
  • 起動直後はコンパス補正に数秒かかります。しばらく待ってみてください
データが高すぎる/低すぎる位置に表示される
解決策:
  • KMLの高度の種類の設定が正しいか確認してください(標高 or 楕円体高)
  • 現在地の標高ソースを「地理院標高」と「GPS高度」で切り替えてみてください
  • 楕円体高のデータの場合、正しいジオイド高を入力してください(日本国内では約30〜40m)
  • 標高補正をOFFにして平面的に確認することもできます
動作が重い・カクつく
解決策: 表示距離を短く設定してください。 表示するデータ量が多い場合、描画負荷が高くなります。 不要なレイヤを非表示にすることでも改善されます。
録画ボタンが表示されない
解決策: お使いのブラウザがMediaRecorder APIに対応していない可能性があります。 Chrome(Android)またはSafari(iOS)の最新版をご利用ください。
撮影した写真にGPS情報が入っていない
解決策: GPSの測位が完了してから撮影してください。 画面上部にGPS座標が表示されていれば測位完了です。 また、piexifライブラリの読み込みに失敗している場合はEXIF情報が付与されません。 インターネット接続を確認の上、ページを再読み込みしてください。